「日本学術会議2017年声明を支持し、国に対して申し入れすることを求める陳情」
       皆さんのご協力にもかかわらず、存念ながら不採択になってしまいました


 3月7日(金)の総務委員会を受け、本日、3月12日(金)の東大和市議会本会議で上記陳情が審議・採決されました。採決結果は、以下のとおりの賛否で、残念ながら不採択となりました。
  賛成:9(興市会2・やまとみどり3・日本共産党3・無所属(実川議員)1)
  反対:11(自由民主党5・公明党4・正和会2)

陳情に賛同いただいた皆さま、ご協力くださった皆さまに、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。以下は審議の詳細と若干の感想です。

 賛成討論としては森田議員(共産党)・中野議員(やまとみどり)が登壇
 森田議員は、日本学術会議の軍事研究反対声明について、過去3回の発出について触れ、その今日的な意義について発言、また、中野議員は日本学術会議に対する現政権の不当な扱いと軍事研究反対声明についての関連について述べました。

 反対討論としての東口議員(公明)の発言は、途中までは賛成討論かと思わせるようなものでした。ラッセル・アインシュタイン宣言や東大和市平和都市宣言、果てはこの会議で提案されている「核兵器禁止条約の発効を支持し、世界の恒久平和と核兵器廃絶を誓う決議」(議長を除く全20名の議員による議案)まで言及したので、よもやとは思いつつも聞き続けると、2017年声明の自主・自律・公開の原則に違和感がある」(??)との理由で反対するとのこと(あまりにアクロバットな論理展開で、正確な記録ができなかった)。
 同じく反対討論に立った根岸議員(自民)の発言内容は、基本的には総務委員会でのそれと同様でした。日本学術会議の声明そのものに反対するものではないが、陳情の内容に疑問がある(であれば、会って対話してもらいたかったものだ)。「軍事研究」の定義があいまい、他国の発展に後れをとる、軍事研究反対の宣言は(自由な軍事研究を妨げることになり、)憲法23条の学問の自由の侵害になるというのがその理由でした。

 言うまでもないことですが、軍事研究そのものが学問の自由を侵害すること、軍事研究こそが自由を担保すべき自主・自律。公開を侵すものであることは、歴史に目を向ければ明らかなことです。
 さすがに、「軍事研究は、わが国の経済発展と安全保障にとって重要なものである」のごとき正面切った反対論を展開できなかった(そこまでの覚悟も認識もなかった?)のは、市民の反感を買うと恐れたものでしょう。とはいえ、私たちがそのような市民であると自認するのが妥当かどうかは、大いに疑問のあるところです。

 地域からもっと声があがらなければ、現政権による任命拒否問題も日本学術会議の改編策動も止められないのではないかと危惧します。むしろ地域こそが、反戦・平和を訴えるにはとても有効なフィールドだと思います。
 これまで任命拒否問題は多くの団体や組合が反対声明や決議をあげていますが、地方自治体でそのような決議をあげたのは(私が知るところでは)埼玉県の東松山市のみです。もっと地域に目を向けるべきであるとは思いつつも、東大和市もにおいてはたんなるパフォーマンスになってしまったという反省もあります。これも私たちが、権力者から「恐れられる市民」でなくなった=「飼いならされた羊」になってしまったということなのでしょうか。

     ************************************************************************************************

 3月5日、東大和市議会総務委員会が開かれました。
 「日本学術会議2017年声明を支持し、国に対して申し入れすることを求める陳情」が審議され、賛成3反対4で不採択となりました。
   賛成:森田議員(共産)・中野議員(やまとみどり)大后議員(興市会)の3名
   反対:根岸議員(自民)・蜂須賀議員(自民)・和知議員(正和会)・東口議員(公明)の4名
 採決には加わりませんでしたが、総務委員長は荒畑議員(公明)です。

 委員会での討議で私が注目したのは、最初に発言した根岸議員の以下のような内容でした。
 日本学術会議の声明自体に反対するものではないが、陳情趣旨には賛成しかねるものがあるので反対する。軍事研究反対を押しつけられると、防衛技術などについて自由な研究が妨げられる恐れがある(下線は筆者)。私のメモと記憶をもとに再現したもので、細かいところは違っているかもしれません
 いっぽう、森田議員・大后議員・中野議員が自らの主張と、陳情についての賛成意見を述べてくれました。

 根岸議員の発言は非常に重要で、何が軍事研究かという問題、軍事研究の是非について踏み込むには格好の材料を提供してくれたことになります。安全保障技術研究推進制度に積極的にかかわっている科学者・研究者がその正当性を述べるためにもっぱら用いているのがこの論法です。
 これに対して賛成意見で当意即妙に反論するなり、反駁することはできなかったのか、惜しまれるところでした。

     ************************************************************************************************

 2月16日の陳情提出締切りに向けて賛同署名集めをしてきました。署名の数が多い、少ないの別なく、わざわざお送りいただいた、そのことにまず感謝したいと思います。
 2月16日の.時点で82筆いただきました。それらの多くが郵送によるものであることは、コロナ禍で人との交わりが少ないためでもあったろうし、同時に、わが国の異常な軍拡状況に危機感を感じていらっしゃる方が少なくないということであろうと思います。いずれにせよ、この82筆の重みは活かされなければなりません。
 2月16日に議会事務局に提出し、82筆すべてが賛同署名として認められました。ご協力いただいた皆さまには、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
今後の審議の日程が決まりましたのでお知らせします。可能であれば傍聴にご参加ください。
【審議予定】
 ★総務委員会……3月5日(金)9時30分から
 ★本会議……3月12日(金)9時30分から ※本会議での本陳情の審議は終盤になると思われます

     ************************************************************************************************

 私たちは東大和市議会に対し、「日本学術会議2017年声明を支持し、国に対して申し入れすることを求める陳情」の提出を予定しています。
 これに先立ち、昨年の12月16日から今年の1月15日まだの間に、陳情に対して理解を得るため、東大和市議会議員各人との面談を求めてきました。 面談申し入れに対する各議員の対応は、以下の表のとおりです。

       

 面談に応じてくださったのは、全議員21名のうちたったの9名、全体の1/2ににもなりません。他は拒否が10名、無回答が2名。
 この結果を見て、どのように考えればいいのでしょうか。
 地方議会(とりわけ市町村議会)という市民にとって最も身近であるべき議員が、まるで国会議員のように、会派単位での対応に明け暮れていることには常々疑問を持ってきましたが、これはそれ以上に根深い問題がありそうです。

【そもそも議員とは】
 そもそも地方議会の議員とは何者なのか。選挙で選ばれたとはいえ、議員になったということは地方自治体の特別職公務員です。議員報酬(給与)、費用弁償、期末手当、政務調査費など、全てが税金から支払われます。これらは議員が公務員である所以です。
 議員になった以上、議員の仕事は公務であり、すべての市民に対して平等にふるまわなければならない。一部支持者のための議員であってはならないということです。これは市長についても全く同じです。
 その公務員である議員が市民の面談を拒絶・無視する。こんなことはあってはならないことです。

【公明党会派の対応の不思議】
 「議員対応一覧」にもあるように、公明党会派は東大和市議会が民事訴訟(このことについては「『憲章』その後」をご参照ください)の被告であり、当方が原告であることを理由に1月15日に約束していた面談を6日に断ってきました。連絡してきた議員は「誤解を避けるため」と言っていました。
 刑事訴訟ならいざ知らず、民事訴訟の関係人であることをもって面談を拒絶するなど、そもそも正当な理由になりません。しかも面談の内容は「東大和市子ども・子育て憲章」反対陳情のことではなく、全く別の陳情についてです。
 理由にならないことを口実として結論を導き出す。今回は面談拒絶についてでしたが、同じようなことがを議会の場で行われないことを願うばかりです。

【陳情賛同署名のとりくみ】
 市議会議員の対応をご覧いただければお分かりのように、また、公明党会派の不可解な対応により、現状では陳情採択の見込みは潰えました。
 このうえは、東大和市内外の多くの市民の力で、何としても議会を動かしていかなければなりません。そのためにはたくさんの署名が必要であり、市内外から注目を浴びているのだということを議員に意識してもらうことが大事です。マスコミ・ミニコミなどの報道機関への働きかけも欠かせません。また、SMSなどでの拡散も必要になります。
 さいわい、東大和市の請願・陳情は市内外を問わず平等に扱われます。東大和市内ばかりでなく、広く市外にも呼び掛けて署名を集めたいと考えています。皆さまのご協力をお願いしたいところです。

 本来であれば、各市でも同様の取り組みをしていただけるのが理想的なのです。しかしそれがかなわない場合には、東大和市の陳情に関心を寄せていただき、当署名に応じていただきたく思います。
 ひとりでも多くの方に、この情報を拡散していただきたく、心からお願いいたします。
※「任命拒否問題と軍事研究反対声明」について詳しく記した賛同要請チラシはこちらでご覧いただけます。
 ダウンロードもできます。

※署名用紙(裏表2面)はこちらからダウンロードできます。
  
..