チラシ配置拒否裁判 不当判決!

 第12月22日、チラシ配置拒否裁判の判決が東京地裁立川支部で丹羽裁判長より言い渡されました。
 結果は以下の通り。判決文はこちら

   1 原告の請求を棄却する。
   2 訴訟費用は原告の負担とする。

 不当判決です。

1.審理不尽
 原告と被告の間に決定的な事実認識の差があるにもかかわらず、元東大和市立中央公民館長の証人申請を認めないなど、これを埋める努力をしたとはいえません。しかもたった5回の弁論で一方的に結審し、判決を導き出したものです。

2.権限を利用した書き換え強要
 原告が主張していた、チラシ配置権限を利用した書き換え要求が「強要」であることを認めず(さすがに、原告が主体的にチラシの内容を書き換えたとまでは認定はしていません)、チラシ書き換え要求が「原告の個人の尊厳及び表現の自由を侵害する意図を(被告が)有していたとはうかがえず」(カッコ内原告)として正当化し、「原告が、館長の前記対応を強制的に受け止めたとしても」、国家賠償法上の違法行為があったとは認められないとしています。
 しかし、そもそも表現の自由に限らず、基本的人権の侵害は、原告(被害者)の受けた被害認識を客観的に判断すべきものであって、被告(加害者)の主観的意図はかかわりありません。さらに原告が館長の対応を強制と受け止めたか否か(もちろん強制として受け止めたが)は問題でなく、館長のチラシ配置権限を背景にした(利用した)書き換え要求があったか否かが問題にされなければなりません。判決ではこのことにはまったく触れていません。

3.表現の自由
 しかも、判決では「本件催しの開催日時場所に関する部分にとどまり、本件チラシのその余の記載に照らせば、本件記載部分の修正によって、原告が裁判の形式で本件催しを開催する趣旨が損なわれたとは認め難い」とし、表現の自由についてきわめて限定的にしか認定せず、被告の書き換え要求も合理的なものとしています。
 判決では日時場所の部分であるから催し開催の趣旨は損なわれないとしていますが、その根拠については一切示されていません。たとえ日時場所についてであれ、その表現形態が全体を規定するものであるならば尊重されなければなりません。本件の場合「公判日時」とたんなる「日時」とでは、「法廷」と「ところ」では、「203法廷」と「203学習室」とでは、受ける印象が決定的に違い、おのずと注目度も異なります。原告はこの言葉でなければならないとして意図的に選択したのであり、それをあいまいな根拠で書き換えさせられたということです。その屈辱と精神的な損害について、裁判所に伝わらなかったのは原告の力のなさではありますが、容認できることではありません。

4.控訴
 上記理由から、とてもこの判決を受け入れることはできません。控訴することになろうかと思います。
 今後ともご注目いただければ幸いです。
(2022.12.23)


【おまけ】
      まるで流れ作業
  これでいいのか?! 裁判所の形式主義


 前項でも述べたとおり、チラシ拒否裁判の結果は不当判決でした。
 午後1時10分から403号法廷で開かれた判決言い渡しには、4名の方が傍聴に来てくれました。例によって、被告側の出廷は無し。
 原告席に座って待っていると、裁判長が席につき、通常であれば起立して礼を求められるところ、今回はそのような指示もありませんでした。こちらが予想外な展開に慌てる間もなく、裁判長の口から判決文(主文のみ)が言い渡されました。それは前項の冒頭に書いたとおり、「判決 原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」です。ものの1分せず判決言い渡しは終了。導入部の起立・礼の指示がなかったことを除けば、少なくとも、ここまでは別件の陳情不上程告発裁判の時と同じです。しかしその後(?!)があった。

 法廷から退出ようと、原告席から傍聴席に移動する間、裁判長が何やら読み上げているのです。「判決……棄却……云々」と言っていたような気がします。「なっ、何なんだ、これは?」まだ当方の判決文の続きがあったのかと一瞬思い、原告席に戻りそうになりました。しかしそうではありませんでした。立て続けに次の裁判の判決文を読み上げているのです。
 傍聴者と法廷外に出ようとしていたところ、書記官らしき女性が駆けつけてきて、判決言い渡しなので席にお座りくださいと指示する。「なに言いやがる、こっちは退出しようとしているだけだ。勝手に次の判決文など読み上げているそっちが悪い。」と喉元まで出かかったが、「法廷侮辱罪!」とか言われても胸糞悪いので、とっとと廷外に去ることにしました。
 陳情裁判の判決言い渡しの時には、裁判官は判決を言い渡した後はさっさと法廷から退出しましたが、今回は退出という区切りもなく、続けざまに次の裁判の判決言い渡しを朗読しています。どーせ被告・原告ともに来ないのだから、とりあえず記録だけ残せばいいということなのでしょう。前の裁判の関係者が残っていようといまいとお構いなしです。滑稽というか、空しいというか、表現に迷いますが、あまりの形式主義、画一主義にあきれるばかりです。

 判決文は後日裁判所から送付されるので、本来被告原告とも出廷の義務はなく、通常であれば法廷には観客(原告・被告・傍聴人)もなく、裁判長と書記官による判決言い渡しが「上演」されるのが常なのでしょう。そう、通常であれば裁判は代理人である原告・被告双方の弁護士によって争われるのだから、「商売」として訴訟に立ち会っている彼ら弁護士からすれば、判決言い渡しの日にあえて法廷に行くなどという「愚かな」ことをする必要はないのです。裁判所もそれを承知しているから、気のない滑稽な儀式を繰り返してしているのでしょう。
 しかし本人訴訟の場合は違います。訴訟を立ち上げた原告にはやむにやまれぬ特別の思いがあり、判決に際しても、それなりの期待と希望を抱いているものです。であればこそ、判決言い渡しに際し、本人訴訟の原告は傍聴人とともに判決内容を聞くためにあえて法廷に出向くのです。原告などのそのような持ちを取ることができていれば、こんな荒っぽい判決の言い渡しがなされるわけはない。
 少なくとも原告や傍聴者が立ち会っているのならば、判決言い渡し後は裁判長もいったん退席し、法廷を閉じ、次の判決言い渡しのため、改めて法廷を再開するくらいの手続きを踏んでも、バチは当たらないと思うのはわたしだけなのでしょうか。その程度の労を惜しみ、「さっさと出ていけ」とばかりに次々に別の判決文を読み続ける裁判長の様子を見るにつけ、こんな「官吏」に期待するほうが間違いであったと改めて気づかされるのです。




  チラシ拒否裁判結審!
   ―証人申請認められず―

 第5回口頭弁論が、11月14日(月)午後11時30分から東京高裁立川支部で行われました。この日はいつも傍聴に参加してくださっている方の他に、一般の見学者(?)のような母子が来ていました。
 冒頭、入院のために予定していた弁論期日が延期になったことに対するお詫びを原告から述べました。
 裁判長から提出文書の確認ののち、原告の提出していた元東大和市立中央公民館長の佐伯芳幸氏の証人申請は資料により確認できるので認められないとの通告がありました。原告と被告の間で事実認識が正反対であるにも関わらず、また、原告は本人訴訟のため当事者であるが、被告は代理人に過ぎないのにもかかわらず、これを認めないなどありえません。とはいえ裁判所では裁判長の「独裁国家」、そのように決められた後は、持効性のある対抗措置は取れません。しぶしぶ認めるしかありませんでした。
 そしてこの第5回口頭弁論をもって結審、判決言い渡しは12月22日(木)となりました。判決の結果次第では、証人申請が認められなかったことも理由として控訴するしかありません。
 今後ともご注目、傍聴をお願いします。
(2022.11.15)



    裁判再開
   ―被告準備書面(3)―

 様々な方にご迷惑、ご心配ををおかけしましたが、退院後初めての裁判です。
 昨日、被告準備書面が送られてきました。
 ここをクリックするとみられます。
 たった1枚で、内容も被告準備書面(2)から出るものではありません。準備書面(2)で根拠として提示していた昭和60年7月16日最高裁判決を繰り返しただけのものです。何のために同じことを繰り返すのか、その動機は不明です。
(2022.1.12)



   原告準備書面(2)と証人申請を提出しました

 第原告準備書面(2)と証拠(甲7号証〜甲11号証)と、元東大和市立中央公民館長を証人申請するための証拠申出書を提出しました。
 証人申請が認められるか否かは不明ですが、準備書面と証拠提出で結構な量になりました。チラシ1の書き換えが、原告の主体的意思に嫁ものだという主張、館長はチラシの一部修正を「お願いしただけ」だという嘘を暴くためにこの量になりました。書き換えをしなければチラシ1の受領がなされなかったということが違法性の有無の分岐点になるので、そのことを裁判長にわかってもらわねばなりません。
 
先にお知らせした、被告側から提示された乙1号証チラシ「裁判ごっこ」についての説明も、最後に加えました。当方のミスもあったのですが、これが提示されたことによって、被告側の書き換え要求により、チラシの狙いとしていた諧謔性が減衰されたことがより明らかになったといえます。
 原告準備書面は→こちら 原告証拠説明書(3)は→こちら 証拠申出書は→こちら からご覧いただけます。
(2022.9.16)





   【報告】第4回口頭弁論 ―被告代理人橋本弁護士は名前だけ―

 第4回口頭弁論が、7月28日(木)東京地裁立川支部403号法廷で開かれました。傍聴には4名の方が駆けつけてくれました。いつもの変わらぬご支援に感謝します。
 裁判長は丹羽敦子氏、出廷した被告代理人は羽根一成弁護士、橋本弁護士は、もう来る気もないようです
 冒頭、裁判長から乙1号証チラシ「裁判ごっこ」(25日に原告が公民館長に再提出したチラシ)が出されているが、これに間違いないかとの確認がなされました。おそらくそのものであろうとの裁判長の所感も見述べられましたが、原告としては否定する根拠もなかったので、事実関係を調べてから主張すると発言するにとどめました。
 これは原告が訴状に添えて提出した、甲2号証「裁判ごっこ」チラシ2(書き換えさせられたチラシ)が、25日に再提出したそのものではなかったということを被告側が主張していることになります。仮にそうであったところで、チラシ1が書き換えさせられた事実には変わりはなく、改変させられた内容も異なってはいないので、そこに本質的な違いはないのですが、差し違えた経緯について調べたかったのです。
 今わかっていることは、行政不服審査請求の「反論書」に添付した改変後のチラシが、まさにこれ(甲2号証)であったということです。可能性としては、反論書提出(4月27日)に書き換えさせられたチラシが手元なかった(集会実施日は3月7日)ために、それを再現したことが考えられます。だとしても、こちらのミスではあります。これらの経緯については、「原告準備書面(2)」で明らかにするつもりです。

 もう一つ、注目すべき発言が裁判長からありました。それはそろそろ結審にしたいというような内容でした。原告としては、被告・原告の主張の隔たりがあまりに大きく(「言った」「言わない」の論争になっている)、もう少し詰める必要があるのではないか、当時の佐伯芳幸中央公民館長の証人申請も考えていると伝えました。これらが認められるか否かは裁判長次第になりますが、このことも原告準備書面(2)で主張していきたいと考えています。
 いずれにせよ、被告の虚偽の主張を明らかにしなければなりません。チラシ配置の権限をタテにその書き換え迫ったにも拘わらず、審査請求や裁判の場では、原告が納得して書き換えたという卑劣な言い訳をしています。何としてもこのことを裁判長に理解してもらう必要があります。
 引き続きのご支援をお願いします。
(2022.7.31)

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★被告準備書面(2)が届く★


 7月19日被告準備書面(2)が届きました(下に貼り付けておきます)。内容はこれまでと同様で、書き換えの強要は無かった、依頼したのみで、原告はそれに応じてチラシの書き換えをしたのであって、事件そのものがなかったという構図にしたいようです。これに対する反論は当然しなければなりませんし、必要であれば中央公民館長の証人尋問も考えなければなりません。
 ご意見・乾燥・アドバイス等がありましたら、榎本(090-1884-5757)まででお願いします。(2022.7.20)。

 
※被告準備書面(2)は⇒こちら
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【報告】第3回口頭弁論 ―またも、被告代理人橋本弁護士は出席せず―


 第3回口頭弁論が、6月9日(木)東京地裁立川支部403号法廷で開かれました。傍聴には3名の方が駆けつけてくれました。ありがとうごさいました!
 被告側代理人橋本勇弁護士は出廷せず、東京平河法律事務所の羽根一成弁護士告のみ、被告東大和市長はこんな実態を知っているのだろうか。そもそも、その東大和市役所関係者が一度も出廷せず、傍聴にすら来ていない。人の金(税金)を使って弁護士に依頼しているのだから、勝っても負けても自分のフトコロは痛まない。こんな調子で、市の行政運営までやっているのではないだろうな?!
 こちらの準備書面(1)に対し、今度は、反論する被告側が準備書面(2)を、7月15日(金)出してくる(あくまでも「郵便での発送日」とのこと)ことになった。次回の弁論は、7月28日(木)午後1じ30分から403号法廷です。傍聴よろしくお願いします!
(20226.11)
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★被告準備書面(1)が届く★


 被告の準備書面(1)がようやく届きました。原告の訴状に対しての認否も主張も示されないない答弁書だけでしたが、これでようやく被告側の主張も出そろいました。※以下参照
 その内容は行政不服審査と同様、チラシの改変は原告が中央公民館長の依頼に応じて行ったもので、申し立ての事実は存在しないというもの。
 その事実がなければ、表現の自由や個人の尊厳に対する侵害などはそもそもあり得ないにもかかわらず、抗弁に及んでいます。
 今後、被告によるチラシ改変要求が強制なのか、あくまでも依頼なのかテーマになると思われます。また強制であるならば、その法的な根拠が問われることになると思います。ご注目ください。(2022.5.23)
 ※原告準備書面もアップしました。(2022.5.31)
 ※被告答弁書は⇒こちら
 同準備書面(1)は⇒こちら 原告準備書面(1)は⇒
こちら
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東大和市民の皆さんへ、情報提供のお願い

 いよいよ、東大和市立中央公民館長によるチラシ配置拒否事件の裁判が始まります。
 3月3日(木)午前10時30分 チラシ配置拒否裁判 東京地裁立川支部403号法廷(4階)

 この裁判では、行政不服審査請求のように「申請人の利益の有無」などという理由で却下はできないはずです。チラシ配置拒否、または表現の自由の侵害があったかなかったかが焦点になろうかと思います。そのためには上記事実を証明する必要に迫られます。
 被告側はあくまでも「お願い」レベルの話であったと主張するでしょうし、原告は窓口での申請前後の経緯からチラシ配置の拒否の事実、または文言の書き換え強要の事実はあったと反論することになるでしょう。原告としてはそのような事実があったと明確に言い切れるのですが、それだけでは水掛け論になる恐れあります。
 そこで他にも同じような事例があり、そのことを示せれば、裁判官も事実の存在を認めるざるを得なくなります。もし印刷物等の配置拒否や文章や文言等の改変・削除要求という嫌な経験をされた方(できればその印刷物を含め)、以下の連絡先までお知らせいただけると助かります。
090-1884-5757(榎本)メール:eno-takanosu1737@bbm-a.jp
(2022.2.5)

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             提訴しました
       
―東大和市立中央公民館長によるチラシ配置拒否事件―


 「東大和市立中央公民館長によるチラシ配置拒否事件」について、10月8日付で審査庁(東大和市長)から却下の決裁書が届いたことは「自由と人権通信NO.10」ですでにお伝えしたところです。「却下」というのは、門前払いのこと。この場合は、そもそも申し立ての対象にはならないということ。
 行政不服審査というのは、処分を下した(チラシ配置拒否をした)当事者がその裁定に問題があったか否かを判定するものですから、初めから過大な期待は抱いてはいませんでした。それでも、行政不服審査法(以下、「審査法」と略す)の目的や内容に忠実に従って実施すれば、当該処分の適、不適が判断されることになり、ひいては「行政の適正な運営を確保すること」(審査法第1条)にも資することになるだろうという、一定の期待がなかったわけではありません。しかしそれはとんでもない幻想であるということが、改めて分かりました。
 裁定書では、処分の不当性が認められた場合において、申立人(私です)が得られる社会的な利益の有無のみに焦点を絞り、その結果「利益無し」と判断し、却下という結論を導いています。市は当該処分の適否について判断をせず、事件の本質を回避していると言わざるをえません。そのため、審査法第1条の本来の目的「国民の権利利益の救済を図る」が全く機能せず、市当局が総体として身内をかばう構造が露呈している形になっています。このように、審査法の適正な運用がなされていないことは明白です。
 当該処分には、憲法第21条の表現の自由の侵害の事実があり、同第13条の個人の尊厳に対する許しがたい侵犯があります。申立人は東大和市長を被告とし、上記事実によって傷つけられた精神的損害に対し、12月21日、損害賠償請求訴訟を東京地裁立川支部に提訴しました。今後は損害賠償請求訴訟の原告として裁判に臨むことになります。
 この訴訟についても今後この場でお知らせしていくこととします。ご支援・ご協力、ご注目ください。(2012.12.24)

※訴状(要旨のみ)は⇒こちら


       
         


     チラシ配置拒否裁判 不当判決!

      控訴を前提に取り組みを続けます。詳しくは以下参照。
             (裁判編:地裁判決まで)

 こちらは、東大和市に対する損害賠償請求裁判(チラシ配置拒否事件)の記録のうち、地裁判決までを記載しています。控訴以降の記録については、「裁判編:控訴以降のページをご覧ください。
 なお、提訴以前の行政不服審査請求については、「審査請求編」のページをご覧ください。